成功報酬型M&Aとは?手数料の内訳とお得に利用する方法

  • 2023年2月28日
  • 2023年2月28日
  • M&A

成功報酬型M&Aとは、成功報酬以外の手数料が一切発生しないM&Aの料金形態のことです。着手金や中間金は発生するのにM&Aの成約ができない、というケースが発生しないところがメリットです。お得に利用するためには、仲介会社選びの際に注意をしなければいけません。

M&Aにはいろんな料金体系があります。料金体系の複雑さがM&Aの難しさに大きく影響しています。実際、M&A仲介会社に依頼する際はさまざまな名前の手数料が発生するため、トータルでかかる費用がわかりづらくなることも少なくありません。

そこでおすすめなのが成功報酬型M&Aです。

本記事では、成功報酬型のM&Aについて解説いたします。手数料の内容はお得に利用する方法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

成功報酬型のM&Aとは?

成功報酬型のM&Aとは、成功報酬しか手数料が発生しない料金体系のM&Aのことです。M&Aにはさまざまな料金体系があり、会社によって着手金や中間金などの手数料が発生する場合があります。

成功報酬型のM&Aでは、こうした着手金や中間金などの手数料は発生しません。

M&Aが成約に成功した時点で仲介会社に手数料を支払えば、そのほかの手数料は発生しません。

通常のM&Aと契約の違い

一般的なM&Aも成功報酬は発生します。しかし、先述のとおり、ほかの手数料が発生する契約であることがほとんどです。着手金や中間金などはもちろん、相談料や月額報酬が発生するケースも少なくありません。成功報酬型のM&Aは、一般的なM&Aの契約と比べて、手数料の種類が圧倒的に少ないです。

成功報酬型M&Aのメリット

成功報酬型のM&Aは、成約しなければ手数料がかかることはありません。着手金や中間金が発生するシステムを採用しているM&Aの場合、仮に成約しなかったとしても、これらの出費を避けられず、会社としては損失を被る可能性の高い成約方法といえます。

一方、成功報酬型のM&Aには着手金や中間金が発生しません。M&A成約までに負担する費用が最低限で済む点は、大きなメリットでしょう。

M&A仲介会社においては、M&Aの制約までに費用が発生しないということは非常にリスクが少なく最大のメリットになります。

また、着手金や中間金のあるM&A仲介会社は、成約をしなくても利益を出すことができます。そのため、着手金や中間金を取るために成約の可能性が低い案件を勧めてくることがあります。このような非常に悪質なケースが実際に存在しているため、注意しなければいけません。

最初から成功報酬型のM&Aに絞って仲介会社を探せば、このようなリスクをある程度避けることができます。仲介会社探し自体が楽になる点も、メリットといえるでしょう。

成功報酬型M&Aの手数料目安

成功報酬型のM&Aの手数料の目安は会社によって大きく異なります。基本的には非公開となっているので、厳密な相場についての把握は難しいでしょう。しかし、一般的にはレーマン方式となっており、最低報酬は300万円から2,000万円程度だといわれています。

手数料が実際にいくらになるかは、M&Aの仲介会社を選ぶうえで非常に重要になるポイントです。曖昧なまま契約することのないようにしてください。また、相場というのはあってないようなものなので、いくつかの仲介会社に相談して手数料について確認することをおすすめします。

成功報酬型M&A料金の内訳

成功報酬型M&Aは、成功報酬だけが発生するM&Aです。そのため、

M&A契約における料金の内訳は、成功報酬のみといえます。一般的には着手金や中間金が発生しますが、それらが発生しないので成功報酬しか支払う料金はありません。

ここで注意したいのは、成功報酬しか発生しないのだから成功報酬型M&Aが一番お得に利用できると考えないようにすることです。

もちろん、ほかの手数料が発生しないので、成功報酬型M&Aがお得なのは間違いありません。しかし、そもそもM&Aというのは料金の内訳のほとんどを成功報酬が占めています。

そのため、ほかの手数料をなくしたとしても仲介会社側の利益はそれほど変わりません。中には着手金や中間金を取らないかわりに、成功報酬を大幅に増額している仲介会社も存在します。

そのため、料金の内訳について気にしすぎるのはやめましょう。

大切なのは料金の内訳ではなく、トータルで支払う料金です。発生する手数料の種類や個別の料金に加えて、トータルの料金を必ず確認するようにしてください。

通常のM&Aと手数料の違い

通常のM&Aは成功報酬以外にも手数料が発生します。

M&A(Mergers and Acquisitions)にかかる料金の内訳は、以下のようになる場合があります。

投資銀行の手数料
M&Aに関与する投資銀行は、企業価値評価、交渉、デューデリジェンス、契約書作成、資金調達などの業務を担当します。投資銀行は、M&Aの成立に応じて成功報酬を受け取ることがあります。

法律顧問費用
M&Aは法的なプロセスが必要であり、企業の法的な側面を担当する法律事務所が必要です。法律顧問は、交渉、契約書の作成、訴訟リスクの評価などの業務を担当します。

会計・税務顧問費用
M&Aにおいては、企業の財務面、税務面についても慎重な検討が必要です。会計・税務顧問は、財務・税務面に関する調査や評価を行い、その結果を提供します。

その他の費用
M&Aに関連するその他の費用には、デューデリジェンスのコスト、会議室のレンタル費、旅費、広告宣伝費、PR費用などがあります。

上記のように、M&Aには多くの費用がかかるため、企業は事前に十分な費用試算を行い、財務面にも十分注意を払う必要があります。

一方で、成功報酬型M&Aは、成功報酬以外の手数料は発生しません。

これが最も大きな違いといえます。しかし、M&Aを成約させるためには、仲介会社に支払うお金だけに気をつければよいというわけではありません。

取引を行う当事者は、所得税や住民税などがかかります。法人住民税もかかりますし、各士業に依頼した場合はその報酬も必要です。そのため、仲介会社にかかる手数料だけに注意をすればよいというわけではありません。

さきほども述べたように費用がどこに使われているかの内訳をチェックするのではなく、トータルでいくらかかるのかをチェックすることが大切です。トータルでかかる費用が高額なら、どこを削ることができるかを考えてください。

成功報酬型M&Aは、メリットが非常に多いです。しかし、ほかの仲介会社と比べて圧倒的に料金が安いとは限りません。

成功報酬しか発生しないからといって、料金が安いものだと思い込んでしまうのは危険です。成功報酬型のM&Aに依頼をする場合でも、必ず総額でいくらかかるのかを確認してください。

そのうえで成功報酬型M&Aを利用するかどうかを検討するべきです。手数料を取られたとしても、成功報酬が安いM&A仲介会社であれば、支払う必要のある総額は安くなります。ただし、なかには成功報酬の安さを強調して契約を促し、着手金や中間金による利益を追求する仲介会社もあるため、注意しましょう。

しかし、成功報酬型M&Aにも注意するべきポイントいくつかあります。複数の仲介会社を比較し、自社に適した仲介会社を選ぶことが大切です。

成功報酬型M&Aをお得に利用する方法

成功報酬型M&Aをお得に利用するためには、自分にとって有利な条件で交渉を勧めてもらうことが欠かせません。成功報酬型M&Aの場合は、

成功報酬型の最大のメリットは成約しない限り手数料は発生しない仕組みです。

しかし、M&A仲介会社には、「成約しさえすれば良い」という方針の仲介会社も含まれています。こうした仲介会社の場合、売り手に不利な条件で交渉が進む恐れもあるため、注意しなくてはいけません。

M&A成約によるメリットを十分得るためにも、ある程度信頼できるM&A仲介会社を選ばなくてはいけません。

たとえば、自社と同じ規模のM&Aの実績がある仲介会社が望ましいでしょう。M&A仲介会社によって取り扱う案件の規模は大きく異なります。大手企業のM&Aを中心に扱っている会社もあれば、中小企業を専門的に取り扱っているケースもあります。

M&Aを行う際にはまず交渉先を探さなくてはいけません。しかし、自社の規模とM&A仲介会社が取り扱う案件規模が大きく異なると、希望条件に合った相手先を探すことが難しくなってしまいます。

そのため、理想的なM&A仲介会社を選ぶためには、自社と同規模のM&A実績を持っていることを確認しなければなりません。この条件を満たしているM&A仲介会社を選べば、売り手に不利な条件で交渉が進むリスクも少なくなります。

成功報酬型M&Aを行うなら、信頼できる仲介会社を選ぶことが大切!

成功報酬型M&Aのメリットは非常に多いです。たとえば、着手金や中間金が発生しないため、M&A成約までに負担する費用が最低限で済む点は、大きなメリットです。

成功報酬型M&Aは、リスクが少ない方法のひとつといえます。ほかの仲介会社と比べると圧倒的に成功報酬型M&Aのほうがよいと思えるかもしれません。

成功報酬型M&Aを進める際、大切なのは発生するトータルの費用です。そのため、成功報酬型M&Aの仲介会社に依頼する場合は、着手金や中間金の有無だけを確認するのは避けましょう。

なお、M&Aの仲介会社は、自社と同じ規模のM&Aの実績がある仲介会社が望ましいです。業者のなかには売り手にとっての有利を考えるのではなく、成約だけを優先するところもあるため、注意しなければなりません。

ぜひ複数の仲介会社を比較して、信頼に足る仲介会社を選んでください。

>全国M&A支援協会

全国M&A支援協会

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